2009年 04月 01日
入社式でした |
*この作品はフィクションです。実在の人物、団体、事件などにはいっさい関係ありません。
ただのエイプリルフールネタです、また、なんとなく似ていても気のせいです。
他人の空似です。作者に似たような知り合いがいてもまったく関係ありません。
本当です。実在しません。
まぁ、参考にしたことがないといえば嘘になるけどな……
今日は入社式だ。そして今日から社会人である。紺色のスーツという戦闘服を身に纏い、ドナドナの荷馬車の如く電車に揺られて戦場へと向かう企業戦士。社会の底辺を守る一ソルジャーとしてこの日本国を支えていかなければならない。そういう覚悟をしていかなければならないと感じながらノリの張ったスーツに身を委ねたのはつい三十分前のことなのだ。そう、現在の俺は電車の中で考えていた。
会社から駅までは十分程度の道のりを歩かなければならない。そして駅から出て会社に向かう途中で見知った顔を見つけた。同期の奥田だ。もう何度か会社の懇親会で顔をあわせている。どうやら同じ電車に乗っていたらしい。確かに電車が同じでも乗りこむ車両が違えば会うことはないのだな、と今更ながらに当たり前のことを学んだ。
「おはよう。なんだか緊張するな」
そう声をかけられた。確かにそのとおりだ。今までのだらけ切った学生気分が抜け切ってないのだ。実を言うと昨晩もいつもと同じように二時を回って寝てしまうそうだった。ほとんど学生時代は昼夜反転した学生生活を送っていた為、社会人としてのリズムがまだ全然できていない。これから何とか社会人としての新しいリズムを作っていく必要性がある。そのことを寝惚けて朝にスリッパを履いて会社に行きそうになったことからもマジマジとそれを感じていたところだった。
また、他の同期も同じ電車に乗っていたらしく、亀田、神内らと合流して会社に向かった。会社に行けば、富士川、宮森、火多、木村、徳島さん、大島さんらが既に到着していた。これで俺を含めて十人。今年の新入社員、そして俺の同期の全員がここに揃った。
揃ったと同時に、また外にでてバスに乗らされる。どうやらこれからバスで親会社のほうに向かうらしい。実を言うと今日の日程について俺達には何も知らされていない。俺の就職した会社はある会社の情報部門が独立した子会社である。先ほど上司の方からグループ全体での入社式を行うということをたった今バスの中で説明された。
「本社の人間と一緒か。」
そう、富士川がぼそりと呟いたのを聞いた。親会社はそれなりの規模を誇りこの地方の中ではかなり優秀な企業として周りから慕われている。それだけにその会社を就職を志願する者も多く、倍率何十倍の荒波を乗り切った兵達だけがその会社に入ることを許される。俺達子会社の一同にとっては尊敬対象であり、またそれが嫉妬の対象でもあるわけだ。今の俺が平常であるのは、懇親会にいった際に俺の会社の社長が「本社よりも利益を売り上げてはならないという法則はない」と堂々と俺達に語ってくれたことを心に刻んでいたから。本社を受けることすら無理だと諦めた俺にとってはその言葉はあまりにもその一言は希望であり、今の俺は子会社の人間というだけで卑屈になる必要性がないほどの情熱に燃えていた。
付いた先は親会社ではなく、大きな総合体育館であった。グループ会社ごとに新入社員が並ばされる。目測ではあるがグループ全体で二百人程度が並んでいた。その中でも本社の新入社員は三十人ではあったが他のグループ社員とは圧倒的に違う気配を放っていた。異彩と言い換えてもいい。正とも負とも言いがたい彼らのオーラがこの入社式の会場を包み、周りの新入社員は思わず気圧されてしまっていた。
入社式が始まり、最初に親会社のトップであろう人がステージの上に上がり。そして一言、こういった。
「今から皆さんには、殺し合いをしてもらう。」
(2)へ続く
ただのエイプリルフールネタです、また、なんとなく似ていても気のせいです。
他人の空似です。作者に似たような知り合いがいてもまったく関係ありません。
本当です。実在しません。
まぁ、参考にしたことがないといえば嘘になるけどな……
今日は入社式だ。そして今日から社会人である。紺色のスーツという戦闘服を身に纏い、ドナドナの荷馬車の如く電車に揺られて戦場へと向かう企業戦士。社会の底辺を守る一ソルジャーとしてこの日本国を支えていかなければならない。そういう覚悟をしていかなければならないと感じながらノリの張ったスーツに身を委ねたのはつい三十分前のことなのだ。そう、現在の俺は電車の中で考えていた。
会社から駅までは十分程度の道のりを歩かなければならない。そして駅から出て会社に向かう途中で見知った顔を見つけた。同期の奥田だ。もう何度か会社の懇親会で顔をあわせている。どうやら同じ電車に乗っていたらしい。確かに電車が同じでも乗りこむ車両が違えば会うことはないのだな、と今更ながらに当たり前のことを学んだ。
「おはよう。なんだか緊張するな」
そう声をかけられた。確かにそのとおりだ。今までのだらけ切った学生気分が抜け切ってないのだ。実を言うと昨晩もいつもと同じように二時を回って寝てしまうそうだった。ほとんど学生時代は昼夜反転した学生生活を送っていた為、社会人としてのリズムがまだ全然できていない。これから何とか社会人としての新しいリズムを作っていく必要性がある。そのことを寝惚けて朝にスリッパを履いて会社に行きそうになったことからもマジマジとそれを感じていたところだった。
また、他の同期も同じ電車に乗っていたらしく、亀田、神内らと合流して会社に向かった。会社に行けば、富士川、宮森、火多、木村、徳島さん、大島さんらが既に到着していた。これで俺を含めて十人。今年の新入社員、そして俺の同期の全員がここに揃った。
揃ったと同時に、また外にでてバスに乗らされる。どうやらこれからバスで親会社のほうに向かうらしい。実を言うと今日の日程について俺達には何も知らされていない。俺の就職した会社はある会社の情報部門が独立した子会社である。先ほど上司の方からグループ全体での入社式を行うということをたった今バスの中で説明された。
「本社の人間と一緒か。」
そう、富士川がぼそりと呟いたのを聞いた。親会社はそれなりの規模を誇りこの地方の中ではかなり優秀な企業として周りから慕われている。それだけにその会社を就職を志願する者も多く、倍率何十倍の荒波を乗り切った兵達だけがその会社に入ることを許される。俺達子会社の一同にとっては尊敬対象であり、またそれが嫉妬の対象でもあるわけだ。今の俺が平常であるのは、懇親会にいった際に俺の会社の社長が「本社よりも利益を売り上げてはならないという法則はない」と堂々と俺達に語ってくれたことを心に刻んでいたから。本社を受けることすら無理だと諦めた俺にとってはその言葉はあまりにもその一言は希望であり、今の俺は子会社の人間というだけで卑屈になる必要性がないほどの情熱に燃えていた。
付いた先は親会社ではなく、大きな総合体育館であった。グループ会社ごとに新入社員が並ばされる。目測ではあるがグループ全体で二百人程度が並んでいた。その中でも本社の新入社員は三十人ではあったが他のグループ社員とは圧倒的に違う気配を放っていた。異彩と言い換えてもいい。正とも負とも言いがたい彼らのオーラがこの入社式の会場を包み、周りの新入社員は思わず気圧されてしまっていた。
入社式が始まり、最初に親会社のトップであろう人がステージの上に上がり。そして一言、こういった。
「今から皆さんには、殺し合いをしてもらう。」
(2)へ続く
by raityoueu
| 2009-04-01 00:14
| ボケてもいい日